ホントは勢いにまかせて、このままキスしちゃおうかなって思った。
だけど、小宮山にダメって言われてる。
それに、心のどこかで自分自身のブレーキもかかった。

もしかしたらオレは。
胸に渦巻くハルキへの嫉妬や不安を、小宮山を貪ることでごまかそうとしてんじゃねえかって。

ヤだヤだ。
どーせならもっと幸せな気持ちでキスしたい。
ハルキの影がチラつくキスなんか絶っ対に嫌だった。

唇だけとっといて、あとは顔中思いついたとこ全部にキスする。
「好きだよ、小宮山」ってシツコク流し込みながら。

オマエのこと一番好きなのは絶対にオレ。オマエもオレが一番大事。
だからオレのこと忘れんな。オレのこと思い出してハルキを拒め。

腕の中の小宮山は、ちゃんとオレに恋をしてる顔をしていた。
きっとオレらは大丈夫。