さっさと数プリを片づけはじめる私の腕をつかんで、真面目な顔した加瀬くんが首を横にふる。
「アイスはいらない。それよかキスして」
「・・エ?? お、おなかは・・?」
「おなかなんかどーでもいーんだよ!」
イラッと眉間にシワをよせて、加瀬くんが私に迫る。
「ねえ、キスしてみてよ。オマエ、オレとできる・・?」

「急にどしたの? 目え据わっててコワイんだけど・・」
「ごちゃごちゃウルサイ!」
おデコを勢いよくがっつんとぶつけて加瀬くんが私にすごむ。
「早くしろよ」
「ええええ」

だけどいきなりこんなふうに迫られても、キスなんてしたことない私にマトモに何かできるワケもなく・・

「む、無理」
「なんでだよ!!」

余計に機嫌の悪くなってしまった加瀬くんにブーブー文句を言われる。
最終的には、「小宮山ができねえならオレがする!」って言われてビビった私が脊髄反射で逃げ腰を発動。結局、なにもかもぜーんぶ断った結果、加瀬くんは完全にヘソを曲げてしまった。
もうご機嫌は最悪だ。