理科室の窓の下から私を見上げるようにして嬉しそうに微笑む春樹くん。
私の手の中には春樹くんにもらった四葉のクローバーが揺れている。
結局春樹くんは、私から離れなくなってしまった。
加瀬くんがいない時に私をみつけてはこんなふうにこっそり近づいてくる。
「あのねえ春樹くん。何度も言うけど、加瀬くんに隠れてコソコソ会ったりしたくない。誤解されるのイヤだから」
「今更何言ってんの。すみれちゃんのはもうプラトニックな浮気でしょ」
「お、恐ろしいことゆーのやめてくれる・・!?」
だけど春樹くんの言う通り、近づくことを許してるって時点で、きっと私は有罪だ。
私は完全に初動を誤った。
私だって加瀬くんに相談することを考えなかったわけじゃない。こんなことが2回、3回って続いた時に加瀬くんに言うかどうか随分迷ったんだけど。
だけどその時、つい考えちゃったのだ。
『こんなの加瀬くんが黙ってるハズがない。絶対に揉める』って。
私はこの『揉める』ってのがとにかく苦手だった。
そんなことになるよりは、自分でなんとかしたほうがいい、加瀬くんを巻き込んで大事にするよりも、もっと平和的にコトを収められんじゃないかってーーー思っちゃったのだ。
で、その結果がこれ。
今更加瀬くんに相談するわけにもいかず、私は密かに途方に暮れていた。
私の手の中には春樹くんにもらった四葉のクローバーが揺れている。
結局春樹くんは、私から離れなくなってしまった。
加瀬くんがいない時に私をみつけてはこんなふうにこっそり近づいてくる。
「あのねえ春樹くん。何度も言うけど、加瀬くんに隠れてコソコソ会ったりしたくない。誤解されるのイヤだから」
「今更何言ってんの。すみれちゃんのはもうプラトニックな浮気でしょ」
「お、恐ろしいことゆーのやめてくれる・・!?」
だけど春樹くんの言う通り、近づくことを許してるって時点で、きっと私は有罪だ。
私は完全に初動を誤った。
私だって加瀬くんに相談することを考えなかったわけじゃない。こんなことが2回、3回って続いた時に加瀬くんに言うかどうか随分迷ったんだけど。
だけどその時、つい考えちゃったのだ。
『こんなの加瀬くんが黙ってるハズがない。絶対に揉める』って。
私はこの『揉める』ってのがとにかく苦手だった。
そんなことになるよりは、自分でなんとかしたほうがいい、加瀬くんを巻き込んで大事にするよりも、もっと平和的にコトを収められんじゃないかってーーー思っちゃったのだ。
で、その結果がこれ。
今更加瀬くんに相談するわけにもいかず、私は密かに途方に暮れていた。