翌朝。船入駅のホームで電車を待っていると、突然ポンポンと後ろから肩を叩かれた。
振り向けば、ニコニコとご機嫌の春樹くんが立っている。

「おはよ、すみれちゃん」
「え!? お、おはよ・・」

実はこんなふうに朝のホームで私たちが顔を合わせることなんてめったにない。
それがなぜ? 今日に限ってなぜ彼がここに?
黙り込む私に春樹くんがニッコリと笑った。「偶然」って。

「ぐ、偶然?」
「ウン。偶然。今日はたまたまコッチにおりたんだ。いつもはアッチから乗るんだけど」
って春樹くんが陸橋の反対側を指差す。
そのままの流れで、なんとなく私たちは一緒に電車に乗った。

いいのかな、これ・・
昨日は一緒に下校して、今日は一緒に登校してる。
加瀬くんの顔がチラついて頭から離れない。