困り果てた加瀬くんが白状し始める。
「小宮山からかうついでにカップケーキも食えたらいいなって思っちゃったんだよ」って。

すんごいバカ正直。
だけど悪い気はしなかった。
本気で悪いって思ってくれればそれでよかったから、だから「もういいよ」って言おうと思ってたのに、加瀬くんが余計なことを口走る。

「でもさ、オレ、またあーゆうコトしてみたい・・」
なんて言いつつ、加瀬くんがすうっと私に手を伸ばす。
「うわ、チョット・・!」
耳に触れる寸前でその手をガシッて掴んで振り払うと、加瀬くんはいかにも残念そうに眉を下げた。

「やっぱダメ?」
「当たり前じゃん!」

「でもオレ、自由にこーゆうコトができる立場になりたい。・・この意味わかる?」