船入駅に着き、じゃあねって別れようとした時、春樹くんが私の腕を引いて立ち止まった。
「すみれちゃん、オレらまた話せる?」
そう聞かれて首を横にふった。
ムリだ。話せるわけがない。
加瀬くんがイヤがるのは目に見えてる。

「もう話せない」
私がそう言うと、春樹くんはとっても残念そうな顔をした。
「そっか。ダメか・・」
「ウン、ゴメンね。でも楽しかった。じゃあね」

それから私たちは改めてバイバイって手をふりあって別れたのだ。
この時、たしかに私は春樹くんに「話せない」って言ったハズだった。

そのハズだったんだけどーーー