まあね。
つまんない挨拶チョット交わすだけ。
ただそれだけってわかっちゃいるんだけど。それでもオレはふたりが挨拶を交わすのを見るのが嫌だった。
正直に白状してしまえば、オレはハルキが怖い。
こうやってアイツに遭遇するたびに、坂川で感じた不安と疎外感とがいちいち蘇って胸の中がベットリ気持ち悪くなる。
小宮山の頭を飛び越えて遠く離れたホームの向こうに目をやれば、ひとり佇むハルキの姿が目の隅に入った。
だって感じる。
コイツらはきっとウマが合う。
いつかこの上っ面だけの関係が崩れて、ふたりの距離が縮まる時がきたら。
その時はオレってどうなんの?
彼氏のままでいられんの?
たまたまオレが先だっただけ。
小宮山にとって、オレは必然じゃなくて偶然だ。
オレとハルキ、小宮山に近づく順番が違ってたらたぶんーーー
ホームに上り線の到着を報せる予告音が響き始めて、オレは小宮山と別れて陸橋を渡った。
動き出した電車の中から下りのホームを見た時に、なんとなくハルキが小宮山のほうを見てる気がしたけれど努めてオレはそれを忘れた。
いちいち気にしてらんないし考えすぎてもしょうがねえ、って。
だけどこの後、オレの知らないところでふたりはいきなり距離を縮めてしまう。
オレがそれを知るのは、まだ少し先のこととなる。
***
つまんない挨拶チョット交わすだけ。
ただそれだけってわかっちゃいるんだけど。それでもオレはふたりが挨拶を交わすのを見るのが嫌だった。
正直に白状してしまえば、オレはハルキが怖い。
こうやってアイツに遭遇するたびに、坂川で感じた不安と疎外感とがいちいち蘇って胸の中がベットリ気持ち悪くなる。
小宮山の頭を飛び越えて遠く離れたホームの向こうに目をやれば、ひとり佇むハルキの姿が目の隅に入った。
だって感じる。
コイツらはきっとウマが合う。
いつかこの上っ面だけの関係が崩れて、ふたりの距離が縮まる時がきたら。
その時はオレってどうなんの?
彼氏のままでいられんの?
たまたまオレが先だっただけ。
小宮山にとって、オレは必然じゃなくて偶然だ。
オレとハルキ、小宮山に近づく順番が違ってたらたぶんーーー
ホームに上り線の到着を報せる予告音が響き始めて、オレは小宮山と別れて陸橋を渡った。
動き出した電車の中から下りのホームを見た時に、なんとなくハルキが小宮山のほうを見てる気がしたけれど努めてオレはそれを忘れた。
いちいち気にしてらんないし考えすぎてもしょうがねえ、って。
だけどこの後、オレの知らないところでふたりはいきなり距離を縮めてしまう。
オレがそれを知るのは、まだ少し先のこととなる。
***