ああ、今のはマズイ。
マナは見た目こそ派手だけど、そこらへんはきちんと真面目で、ルーズなことは大嫌い。
だけどそんなこと加瀬くんにはわからないから、完全に見た目の印象だけでアレコレ言っちゃう。
その上、若干デリカシーに欠けてる加瀬くんは、
「もっと人の気持ちを考えた言動したほーがいいぞ、オマエ」
なんて言いながら、マナが大事に抱えてきたチケットを折り畳みもせず、そのままぐしゃっとお尻のポケットにつっこんだ。

「あっ・・!」

加瀬くんのお尻を凝視するマナの顔が怒りに歪む。

「アンタにだけは言われたくない・・!」