「あーあ。だけどやっぱり4人で行きたかったなあ。これだって人数分そろえて楽しみにしてたのにさ」
今くれたドリンクチケットを指差してマナがムスッと顔をしかめるのだが、マナの言う4人の中には、もちろん加瀬くんは含まれていない。

「いきなり彼氏できるなんてヒドイよ。んでまた、その相手が・・」
って加瀬くんを見下ろすマナの眉間にくっきりと深いシワがよる。
「しつけーな! ソレ、いつまでやる気!?」

そろそろマナの無礼を流せなくなってきた加瀬くん。
こうなると、ひとこと言い返してやらないと気が済まないのが彼の性格なのだ。
不信感丸出しにしてマナに余計なことを言いはじめちゃう。
「オイ、マナちゃん。念のため言っとくけど! ってかオマエ、いかにもやりそうだから今ここで言っとくけど!」
ってまずはしつこく前置き。

「もう小宮山連れて男と遊びに行ったりすんなよな。そーいうのが非常識って、オマエわかる?」
「なにそれ!? 私、そんなことしない!」
「ならいいけど。オマエ無神経だから、ハッキリ言ってやんないとわかんねーかと思って」
「ハアア!?」