そんなある朝、マナが2組にやってきた。
私の机の真横にしゃがみこんだマナは、加瀬くんの顔を見るなり、はあっ、てため息をつく。
「カンジわりーな。人の顔見てため息つくなよ」
「だって出るんだもん。仕方ないでしょ」
頭じゃわかってんのに心がどーしてもアンタを受け付けない、なんて加瀬くんにズケズケと言い放ち、デッカイため息をもうひとつ。
そんなマナがポケットから取り出したのは、カフェのドリンクチケットだった。
花火大会の当日に使えるやつ。
「これ、もしかしてヒロちゃんのカフェ?? 参道にお店出すの?」
「そうなの!!」
マナが嬉しそうに胸をはる。「今年はヒロちゃんのとこも出店するの!」って。
ヒロちゃんは坂川でカフェを経営している9つ年上のマナの従姉妹のお姉さん。
ヒロちゃんのオシャレでステキなお店は坂川でも評判の有名店で、行ったことのない私でもお店の存在だけは知っている。
美人で優しくて、料理上手。ステキなお店をリッパに切り盛りするヒロちゃんは、マナの自慢のお姉さんなのだ。
「これあげる。ふたりで行ってよ」
私と加瀬くんに、ドリンクチケットを1枚ずつ握らせた後、花火大会用のメニューが載ったチラシをひろげて、どれがおいしいか一生懸命オススメを教えてくれる。
「絶対行ってね? イッパイ頼んでね? 一番最初に行ってくれてもいい」
「うん、わかったよ。絶対行く」
「ありがと。約束ね!」
めいっぱいカフェの宣伝をしてから、マナは丁寧にチラシを折り畳んでポケットにしまいこんだ。
私の机の真横にしゃがみこんだマナは、加瀬くんの顔を見るなり、はあっ、てため息をつく。
「カンジわりーな。人の顔見てため息つくなよ」
「だって出るんだもん。仕方ないでしょ」
頭じゃわかってんのに心がどーしてもアンタを受け付けない、なんて加瀬くんにズケズケと言い放ち、デッカイため息をもうひとつ。
そんなマナがポケットから取り出したのは、カフェのドリンクチケットだった。
花火大会の当日に使えるやつ。
「これ、もしかしてヒロちゃんのカフェ?? 参道にお店出すの?」
「そうなの!!」
マナが嬉しそうに胸をはる。「今年はヒロちゃんのとこも出店するの!」って。
ヒロちゃんは坂川でカフェを経営している9つ年上のマナの従姉妹のお姉さん。
ヒロちゃんのオシャレでステキなお店は坂川でも評判の有名店で、行ったことのない私でもお店の存在だけは知っている。
美人で優しくて、料理上手。ステキなお店をリッパに切り盛りするヒロちゃんは、マナの自慢のお姉さんなのだ。
「これあげる。ふたりで行ってよ」
私と加瀬くんに、ドリンクチケットを1枚ずつ握らせた後、花火大会用のメニューが載ったチラシをひろげて、どれがおいしいか一生懸命オススメを教えてくれる。
「絶対行ってね? イッパイ頼んでね? 一番最初に行ってくれてもいい」
「うん、わかったよ。絶対行く」
「ありがと。約束ね!」
めいっぱいカフェの宣伝をしてから、マナは丁寧にチラシを折り畳んでポケットにしまいこんだ。