用紙の容量いっぱいに復習問題がみっしりと詰め込まれた黒々しいプリント。これを眺めるだけで私は気分が悪くなる。
文系の人間には悪夢そのもの。1年の時からずーっと縁の切れないこの数プリに私は泣かされ続けてきた。

ところが2年にあがった途端、私は嘘みたいに数プリの呪縛から解放された。
加瀬くんが宿題を写させてくれるようになったからである。
彼の完璧な数プリは、私の命綱だった。
少し前までは。