嬉しそうにタッパーを受け取った加瀬くんが、さっそくひとつ、カップケーキを取り出した。
「今食べるの?? さっき2個食べたでしょ?」
「いーや、食ってねえ。オレら材料こぼしちゃって、1人1個もなかったんだよ。ネチョネチョの始末にすんげえ時間取られて作り直す余裕もなかったし」
そういえば男子が騒いでたな、って調理実習室の端のほうの喧騒を思い出した。
そうか、あれが加瀬くんの班だったのか。
そこへ渡辺くんがやってきた。渡辺翔太くんは加瀬くんの同中の親友で、今はいないけれどもう一人、やっぱり同中の桜井尚くんもあわせて3人すごく仲がいい。
「オイオイ、ちょっと! なにそれ!?」
「いーだろ。小宮山にもらった」
加瀬くんが得意そうにみせびらかすタッパーに渡辺くんが食いついた。
「オレにもちょうだい、ハラへった!」
そう言って無邪気に手を伸ばしてくる渡辺くんの頭を、間髪入れず加瀬くんがベシリとはたく。
「空気読めよ! これ、小宮山の!!」
「ああ・・まあね」
渡辺くんがちらりと私を見る。
「他の男に食わすワケねーだろ。絶っっ対にダメ!! 他あたってよ」
なんて渡辺くんに噛みつく加瀬くんの言動にじんわり頬が染まってくのを止められない。
「んでも小宮山にはあげる」
加瀬くんが私の手に、カップケーキをホイってのっけてくれる。
「一緒に食おーぜ」ってニッコリと微笑む彼は、すでにもりもりとカップケーキを頬張っていた。
「ねえ、美味しい?」
「うん。ウマイ!」
口をパンパンに膨らませた加瀬くんが元気よく頷く。
ああ、可愛い。リスみたい・・
自分の胸がきゅうううんって鳴る音を確かに聞いた気がした。
こんな顔が見られるんだったら、何個だって作れちゃうナ・・なんて考えながら、私はただただウットリと加瀬くんの健康的な食べっぷりをみつめていたのだった。
「今食べるの?? さっき2個食べたでしょ?」
「いーや、食ってねえ。オレら材料こぼしちゃって、1人1個もなかったんだよ。ネチョネチョの始末にすんげえ時間取られて作り直す余裕もなかったし」
そういえば男子が騒いでたな、って調理実習室の端のほうの喧騒を思い出した。
そうか、あれが加瀬くんの班だったのか。
そこへ渡辺くんがやってきた。渡辺翔太くんは加瀬くんの同中の親友で、今はいないけれどもう一人、やっぱり同中の桜井尚くんもあわせて3人すごく仲がいい。
「オイオイ、ちょっと! なにそれ!?」
「いーだろ。小宮山にもらった」
加瀬くんが得意そうにみせびらかすタッパーに渡辺くんが食いついた。
「オレにもちょうだい、ハラへった!」
そう言って無邪気に手を伸ばしてくる渡辺くんの頭を、間髪入れず加瀬くんがベシリとはたく。
「空気読めよ! これ、小宮山の!!」
「ああ・・まあね」
渡辺くんがちらりと私を見る。
「他の男に食わすワケねーだろ。絶っっ対にダメ!! 他あたってよ」
なんて渡辺くんに噛みつく加瀬くんの言動にじんわり頬が染まってくのを止められない。
「んでも小宮山にはあげる」
加瀬くんが私の手に、カップケーキをホイってのっけてくれる。
「一緒に食おーぜ」ってニッコリと微笑む彼は、すでにもりもりとカップケーキを頬張っていた。
「ねえ、美味しい?」
「うん。ウマイ!」
口をパンパンに膨らませた加瀬くんが元気よく頷く。
ああ、可愛い。リスみたい・・
自分の胸がきゅうううんって鳴る音を確かに聞いた気がした。
こんな顔が見られるんだったら、何個だって作れちゃうナ・・なんて考えながら、私はただただウットリと加瀬くんの健康的な食べっぷりをみつめていたのだった。