長い一日の終わりに、私たちはまた公園にきていた。

もくもくと真っ白い入道雲の中を突き抜けるように、トンビが高く飛んでゆく。
芝生に両手をついてまったりと空を仰いでいた加瀬くんが、何を思ったのか突然「恋バナしよーぜ」なんて言い出した。

「恋バナああ?? いーけど、なに話すの?」
「オレ、小宮山に聞きたいことがイッパイあんだよね!」

何から聞こうか、って加瀬くんが「うーん」と唸る。

「オレの気持ち、いつから気づいてた?」
「・・たぶんスッゴイ早いうちから」
「やっぱり!?」

だって加瀬くん、露骨なんだもん。
あれでわかんないほうがどうかしてる。
本人もそこは想定通りだったらしく、さっさと切り替えて次の質問へ。

「んじゃえっと。小宮山はいつからオレのこと好きなの?」
「私も結構前からだけど、いつからって言われるとよくワカンナイ・・」
「はあ?」
「だって気づいたら好きだったんだもん」
「なんだよ、ハッキリしねーな!」

ムスッと機嫌の悪い顔した加瀬くんがぴたりと身体をよせて座り直す。
「んじゃもうどこからでもいーわ。今は? ちゃんと好き?」
期待のこもった腕がスルリと腰にまわった。