そこに1人だけテンションの違う冨永が口を挟んできた。
「わかるわかる。ちょっと信じらんないよなあ。だけどうまくいったってのはホントだぜ。だってオレ、今朝コイツらがイチャついてるとこ見ちゃったもんね!」
自慢げにそう言う冨永に尚がしつこく疑いの目を向ける。
「あのなあ、律ひとりが喜んでんじゃダメなんだぞ? 小宮山が拒否ってねーのが大前提だからな? そこんとこ、よく見た??」
「見た! 小宮山嫌がってなかったぞ。だあってさあ・・」
と、冨永が小宮山を見てニヤけ、それに気づいた小宮山がギクリと背筋を伸ばした。

「チョットまって! 何言う気!?」

冨永を止めようとして慌てて腰を浮かせたのだが、
「真っ赤んなって加瀬に顔とか耳とか触らせてたじゃん? な?」
間に合わず、しゃべられちゃう。
「ギャーー、やめて!!」
ゴン!て派手な音を立てて崩れ落ちた小宮山は机に突っ伏したままピクリとも動かなくなってしまった。

「うっわ、オマエ大丈夫!?」

んだけど小宮山のデコが心配なのはオレだけで、周りのヤツらはもうそれどころじゃない。
キャーって黄色い声が飛び交う。