こんなの、とてもじゃないけど普通になんかしていられない。たまらなくなって窓の方へ顔をそらした。

「そっ、そーゆうこと言うのヤメテ」

だけどやめる気なんて全然なさそうな加瀬くんが嬉しそうに距離をつめてくる。
「こんな楽しいことやめられるかよ。ずーっと片想いしてたオレの快感がわかる!?」
ってまた、頬をつつく。
「だあってオマエ、いきなりオモシロイくらい顔に出んだもん」
おかしそうに笑いながら、加瀬くんが私の耳たぶをつまんだ。

「へへへ。真っ赤だヨ?」
「~~~!」

「普通にできなくなるとこもっと見せてよ」って、加瀬くんが楽しそうに耳に流し込んでた時、すぐそばでバシッ!って凄い音がした。

「いってえ!」

見れば冨永くんがノートを片手に、加瀬くんを見下ろして赤面している。
加瀬くんの頭をあれではたいたようだった。