駐車場脇の出入り口を出るとすぐ、加瀬くんに手をつながれた。

「イヤ?」
「んーん。イヤじゃない」
「なら、つきあう?」
「ウン」




「「・・・・エ!??」」




それは自分でもびっくりするくらい、自然にポロリとこぼれ落ちちゃった『ウン』だった。

「ーーーあ、あれ・・?? 私、今ウンて言った!?」
「言った!!」

目をまん丸く見開いた加瀬くんがぴたりと立ち止まり、ワナワナと震えはじめる。

「ウ、ウソ、どーしよ・・まだも少し考えようと思ってたのに・・!」

恐る恐る加瀬くんの顔色を窺いつつ、
「まだ3日あるよね? もうチョット時間もらってもいい・・?」
って言ったら、加瀬くんがすんごい勢いで眉を吊り上げた。
「いーワケねえだろ、もうダメ!!」
「えええ、だってーーー」
「だってもクソもねえ! 今更取り消すなんてナシだからな!!」

「で、でもーーー」

それでもなおグズグズし続ける私に、当たり前だが加瀬くんがついにキレた。

「くっそー。ワガママ!! んで勝手!! ホント腹立つ!」