「加瀬くんって・・やっぱスゴイ」

ブレない人は道を見失わない。
有名なアニメの、あの光る石みたいだ。

加瀬くんが嬉しそうに笑う。
「怖くても試してみろよ。オレが一緒にいてやるからさあ」って。

「それにオレ、怖くなくなる方法も知ってるぞ? 不安が消える方法」
「な・・なにそれ!?」
「ウンて言ってくれたらそれも教えてやるよ。んでオレがオマエの怖いのぜーんぶなくしてあげる。オレたぶん得意分野だから」
嬉しそーうに笑って、加瀬くんは腕を組んだ。
「ハイ、じゃあ約束守って。ウンって言ってよ。実践すんだろ?」

最初から最後まで、加瀬くんはけしてブレない。

「加瀬くん、オシが強いんだね・・」
「当たり前だわ。今おさねーでいつおすんだよ」

熱っぽいガンをを飛ばしてから、加瀬くんはぴったりと私に身体を寄せてくっついた。
手をとって指を絡めて優しく握り、ふたりの間にその手を隠す。