加瀬くんが言うのだ。

「そやって怖い怖いってビビりまくってグズグズグズグズしてる小宮山が、スパッと一発で恋愛できるようになる方法、オレ知ってる」

私は耳を疑った。
私が恋愛できるようになる方法・・!?

「そんなもん、ある??」
「あるある。どんなビビリでも大丈夫。必ずイッパツ解決」
「ウソでしょ、そんな魔法みたいな方法あるわけない」
「いーや、ある」
加瀬くんが自信満々、私の顔をのぞきこんでくる。
「それ、知りたくない?」って言って。

「し、しりたい・・」
「んじゃ教えてやるけどさ、そのかわり聞いたら絶対に実践して。それが教える条件な? いい?」

「・・それって、私にもできるようなこと?」
不安がる私を宥めるように加瀬くんが言う。
絶対にできる、スゲー簡単なことだからって。
「ホントに?」
「ホント!」

不安もあったけど、それを聞いてみたい欲のほうが勝った。
「んじゃあ実践するから教えて?」
「いーよ。ただし約束は絶対守れ」
キッチリ念を押してから、加瀬くんはたこ焼きのパックをベンチの上にポイって放って私のほうへ体を向けた。

「じゃあ、教えてあげる」

慌てて私もパックを置いて、加瀬くんのほうへしっかりと向き直った。
膝の上で両手を握りしめて加瀬くんの言葉を待つ。

そしていよいよ、加瀬くんがゆっくり口を開いた。

加瀬くんの言う方法、それはーーー