そう。らしくないのだ。
普段の小宮山はこんなんじゃない。
もっと淡泊で、人に対して距離がある。
いくら同中の知り合いだからって、あそこまでしない。

「いつもの小宮山なら絶対にスルーだろ? なのになんでアイツだけ!?」
「え、えと・・」

絶対におかしい。なにかある。

「アイツ、おまえの何なんだよ!」

たこ焼き食べる手だって止まってた。上の空の小宮山がパックの底に溜まったソースにぐるぐると箸で模様をつけていたことも知っている。

聞きたくないけど、聞かずにもいられない。
「なあ、やっぱハルキのことが好きなの?」
「違うよ、そーゆうんじゃない」
「じゃあ、どーゆうの?」
「それは・・」
グズグズと下を向く小宮山に不安が湧き上がる。
昔、好きだったとか。初恋の相手だとか。オレはてっきりそーゆう類の話が出てくるんだと思ってた。

だけど、この後小宮山から聞かされた話はオレが予想もしてなかったような内容でーーー

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