そうこうするうちに、なんとなーく気まずい沈黙が流れはじめる。
そんなふうに言われちゃうと途端に恥ずかしくなってきて、もうのんびりと顔なんか上げていられなくなった。倒れ込むように机に突っ伏して今度は私が頭を抱え込んだ。

「そんなの知らなかった! 今の聞かなかったことにして!」
「無茶ゆーな!! いや、でもオレがわりーのかな・・」

その後は私よりも加瀬くんのほうが先に落ち着いて、さっきからアレコレと優しく声をかけてくれるんだけど、正直私はどのタイミングで顔を上げたらいいのかわからなくなっていた。

「なあ小宮山、そろそろ顔あげろよ。オマエがそんなんじゃいつまでたっても帰れねーよ?」
加瀬くんが私のペンケースを勝手に片付け始める。
「元気出せよ。なんか食って帰る? アイスおごってやろーか?」