「加瀬くん、なんかスッゴイ顔赤いけど・・大丈夫?」
私としては気を使って声をかけたつもりだった。

なのに。

「バっっ・・バカなの!? 大丈夫ってどっちが!?」
大丈夫じゃねーのはオマエのほうだろ!って加瀬くんが怒るのだが、私には彼が何を怒ってんだかよくわからなかった。
「ねえ、何怒ってんの? 何がバカ??」
「オレに聞くなッッ!!」

しかしそのうち、渋ーい顔して頭を抱えた加瀬くんが教えてくれたのだ。
あーゆうのはエッチの前後または最中に男女がナカヨクしてる時に出ちゃう声なんだヨ、って。

「そ、そうなの・・? アレが!? さっきのが・・!?」
「オマエ、耳触られてイヤンって言ってたじゃねーか!」
「なにそれ・・チョット待ってよ、意味わかんない」

そんなバカな。イヤンなんて言ってない。
だけど加瀬くんはキッパリと首を横にふるのだ。

「だってオレにはそー聞こえた!!」
「ええええええ」

思いもよらない事態に困惑しつつ、私は口をつぐんだ。
私だってそーゆう知識がゼロってわけじゃない。何をするかくらいは当然知っているけれど、なんせ経験がないもんだから細かいトコロまではよくわからない。