そして次の休み時間。
授業が終わるなり後ろを振り向いてきた加瀬くんの興味は、『5組のハルキ』へと向いていた。

「なあ、ハルキってどんなヤツ?」
「船入中の川嶋くんて知らない?」
「知らねえ。教えて!」
って加瀬くんが私の腕を掴んで腰を浮かせる。
「まさか見に行く気!?」
「当たり前だろ、テキの調査に行くんだよ!」
「うそ、ヤだ。行かない!!」

すごいなこのフットワーク、とは思うけど。
加瀬くんと一緒に春樹くんを見にいくなんて絶対にイヤだった。
無理矢理引きずられそうになるのを全力で辞退する。

「じゃあどいつがハルキかわかんねーじゃねえかよ。5組って誰か知ってるやついたっけかな・・」
加瀬くんが腕組んで、うーんって考え出す。

「たぶん見たことあるよ。柔らかーい雰囲気のイケメンくん、知らない? 〇〇〇〇似の」
そしたらやっぱり加瀬くんも春樹くんを知っていた。
「ウソだろ、マジか・・あれがハルキ!?」
「ウン、そう」

加瀬くんが静かに椅子に腰をおろした。
「オマエ、あんなのに興味持たれちゃってんの? オレ、勝ち目ある・・?」

たしかに私もびっくりだったけど。
本当に彼に興味を持たれたのだとしたら、私には一つ心当たりがあった。