慌てて口をおさえたけど、もう遅い。

「びびび、びっくりしたあ」
「・・・」

「急に触んないでよ、ヘンな声出ちゃった」
「・・・」

「ね、ねえ、聞いてる?」
「ウン、聞いてる・・」

私だってちょっとマズかったかな、とは思ったのだ。
やっぱりそれなりに恥ずかしくはあったから。

だけどそんなことよりも目の前の加瀬くんの反応のほうが凄すぎて、むしろそっちへ気を取られてしまう。真っ白な色白のお肌がエゲツないほど赤く染まり、顔なんか通り越して、あっという間に首まで真っ赤になってしまった加瀬くん。
その様子をジロジロと眺める私の視線に耐えられなくなったらしい彼が、気まずそうに下を向いた。