瞬きをして周囲を確認してみると、倒れている純平がこちらを睨み付けていた。


鼻血が出ていて、頬を押さえている。


「てめぇ、やりやがったな!」


隆夫が吼える。


僕はなにがどうなっているのかわからないまま、襲ってくる隆夫から逃げた。


僕がやったのか?


純平を殴ったのか?


全然全覚えていないけれど、右手の拳がジンジンと痛んでいることだけはわかった。


僕が純平の足を押しのけて、そして殴りつけたのだ。


「はっ……ははっ」


逃げながら笑みがこぼれた。


僕はやり返したんだ。


純平に、やり返す事ができたんだ!


あれほど仲が良かった3人。


いつの間にかイジメの対象になってしまった僕。