その目の中に怒りの感情が見えた気がして、僕は一瞬戸惑った。


僕は純平を怒らせるようなことをなにかしただろうか?


そう思っていた次の瞬間、思いっきり頭を踏みつけにされていた。


サッカーで使うスパイクが僕の頭にめり込んでくる。


激しい痛みに思わず口からうめき声が漏れた。


「この頭をぶち蹴ったら、サッカーボールみたいにどこまでも飛んでいくんだろうなぁ?」


純平の言葉に血の気が退いていく。


サッカー部で1位2位の実力を誇る純平に本気で蹴られたらどうなるか。


下手をすれば首の骨が折れて死んでしまう。


「やめろ!!」


僕は純平の靴の下でもがいた。


どうにか純平の足を両手で押し上げようとする。


「なんだよお前、意外と元気だなぁ」


自分の足の下でもがく僕を見て純平は楽し気に言った。