そのまま後ろに倒れ込んでしまう。


『ハハッ! さっさと立てよほら!』


隆夫は面白がって、立ち上がろうとする僕の肩を何度も蹴りつけた。


白いシャツが黒く染まっていく。


純平はそれを見て散々笑った後、隆夫を押しのけて僕に近づいて来た。


『お前、今日の放課後校舎裏に来い。逃げるなよ』


その言葉に僕の背筋は凍り付いた。


人目のある学校内でもあからさまなあイジメが行われているのに、校舎裏なんかに行ったらどうなるかわからない。


僕はゴクリと唾を飲み込んで純平を見上げた。


純平の無表情が冷たく僕を見下ろしている。


殺される。


咄嗟にそう感じた。


今日、放課後校舎裏へ行けばきっと僕は殺される。


そう感じた瞬間胃が痛んだ。


この時はまだ胃癌の宣告を受けていなかったから、これはストレスによるものだと思っていた。


2人はやりたい放題やったあと教室を出て行った。


僕は痛むお腹を押さえてどうにか自分の席まで移動すると、そのまま突っ伏してしまったのだった。