両親の離婚は誰に邪魔されることなくすんなりと決定した。


後は母親がこの家から出ていくだけだった。


そんな気の重たい朝でも朝食の臭いが漂って来て僕は目を開けた。


スマホで日付を確認してみると7月3日になっている。


無事に次の日が来たことにホッと胸をなで下ろした。


これでまた7月1日に戻っていたら、真奈ちゃんになにを言われるかわかったものではない。


リビングへ下りていくと母親が僕と父親のお弁当を作っているところだった。


「そんなのしなくていいのに」


つい言ってしまう。


それから、それではまるでもう自分の母親ではないと突き放しているように感じられて慌てた。


「そういう意味じゃなくて、僕がやるから」


母親の隣に立ち、すでに出来上がっている玉子焼きをお弁当に詰めていく。