「2人ともいい加減にしてよ!」


ぬいぐるみを叩き落としてリビングに入る。


足の踏み場もないくらいに物が散乱していて、下手をするとまた怪我をしてしまいそうだ。


しかし、2人はやっぱり僕の言葉が届かない。


泣いていた母親もいつの間にか泣き止んでいて、お互いに顔を真っ赤にして怒鳴り合っている。


これじゃ収集がつかなくても当然だった。


「人が来るんだ、だからいい加減やめてくれよ!」


2人の間に割って入ってそう怒鳴るとようやく2人が動きを止めた。


「人?」


父親が肩で息をしながら聞いてくる。


「そうだよ」


「誰が来るっていうの?」


「僕の友達だよ」