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ようやく寝付いたのは夜中の2時になってからだった。


そこから数時間眠ったり起きたりを繰り返していたとき、リビングから怒鳴り声が聞こえてきて完全に目が覚めた。


胃の痛みは消えていて、慌てて部屋を出る。


階段を下りて行ってリビングのドアを開くとそこには着飾っている母親と、まだパジャマ姿の父親がいた。


「今日は休みなのにどこにいくんだ」


父親が母親を睨み付け、行く手を阻むように立ちはだかっている。


「昨日言ったじゃない。大学の同級生と食事よ」


「そんな短いスカートでか」


父親がフンッと鼻で笑う。


母親の服装は膝丈のスカートにキャミソール、そして薄手のカーディガンだ。


普段、家事や買い物をするときにはしない、若々しい姿。


「このくらい誰でも着てるわよ」