しばらく大股で歩いていると小さな公園があったので、そこに入る事にした。


ベンチに座り、大きく息を吐き出す。


「いきなり手なんて繋いで、どういうこと?」


真奈ちゃんの頬は赤く染まり、戸惑っているのがわかる。


「ごめん。母親がいたからつい」


「お母さん?」


真奈ちゃんはよくわからないといった様子で首を傾げる。


自分の母親にばったり会っただけで逃げる必要はどこにもない。


「不倫相手と一緒だった」


イジメのことも余命宣告のことも説明した僕は、母親の不倫のことをほとんど躊躇なく話してしまった。


「不倫……」