『直樹! パス回せ!』


純平の声が聞こえてきて僕はドリブルしていたボールを思いっきり蹴り上げる。


そのボールは面白いほどストンッと純平の胸に落ちていく。


更にそのボールは隆夫へパアスされ、3人で敵チームのゴールへと突き進む。


『行け! 隆夫!』


最後にシュートを決めるのは隆夫の役目だった。


この3人の中では一番ゴール率が高い。


隆夫が蹴ったボールは誰にも邪魔されることなく、真っ直ぐにゴールネットを揺らす。


『やった!』


3人両手を高く上げて歓声を上げる。


チームメイトたちが集まって来て僕たちを取り囲んだ。


あれは試合終了10秒前の逆転優勝だった。


「仲よしだったんだ」