「人生に絶望してたんだ。だけどそれもループする原因だとは思えない。普通、そこまで絶望していたなら死んで終わりじゃないかな」


真奈ちゃんは顎に手を当ててブツブツと推理を開始している。


まるで探偵みたいな仕草が可愛らしくて、自然と頬が緩んだ。


「もしかしてあなたは自分の人生を少しでも好転させたいと思ってるんじゃない? 絶望していたとしても、希望を諦めていないんじゃ?」


言われてドキッとした。


グルグルと視線を彷徨わせて半分ほど残っているジュースに注がれる。


「ちゃんと聞かせてくれる?」


真奈ちゃんにそう言われ、僕は大きくため息を吐きだした。


この奇妙なループに巻き込んでしまっている以上、誤魔化す事はできなさそうだ。


「実はイジメのことなんだけど……」


僕は目を閉じてあの時のことをおもい出した。


それは高校1年生の頃のことだった。


僕と純平と隆夫の3人は同じサッカー部に所属していた。