昨日会ったばかりの真奈ちゃんに一体なにがわかるっていうんだ。


学校ではイジメられて、家でも問題を抱えていて、おまけに余命宣告。


こんなにとんでもない厄年があってたまるか。


そう思った時、つい口が開いていた。


真奈ちゃんにはなにも言うつもりはなかったのに、思わず声を漏らす。


「余命宣告を受けてないお前になにがわかる」


その子声は自分のものとは思えないくらいに低くて、真奈ちゃんに負けないくらいに冷たかった。


真奈ちゃんの目が一瞬大きく見開いて僕を捕らえる。


その反応を見て自分がなにを言ってしまったのか理解し、慌てて取り繕った笑顔を浮かべた。


でももう遅い。


僕の言葉はちゃんと真奈ちゃんに届いてしまった。


真奈ちゃんはなにも言わないけれど、それは雰囲気でわかった。


僕は残りのソーダをすべて飲み干して立ち去ろうと思った。