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「はぁ? 手首を切って自殺したぁ?」


昨日の出来事を説明した後、真奈ちゃんは大きな声でそう言った。


平日のファミレスはお客さんが少ないけれど、それでも人目が気になってしまって僕は「しーっ!」と、人差し指を口に当てて言った。


「絶対それが原因」


真奈ちゃん仏頂面でそう言ってブラックコーヒーをひと口飲んだ。


さっきからイラついているようで、テーブルの下は貧乏ゆすりが止まらないみたいだ。


こうして見ると僕よりもずっと年上みたいに見えるけれど、真奈ちゃんは高校1年生で僕よりも年下だった。


貫禄のある高校1年生だと思う。


「ごめん」


僕はひたすら頭を下げて謝る事しかできない。


まさかまたループしてしまうなんて思ってもいなかった。


「とにかく、その弱々しい心をどうにかしてくれないと」


腕組みをして背中を背もたれにもたれて、ふんぞり返るような体勢で言い放つ。