鼓膜が破れてしまったんじゃないかと不安になったけれど、どうにか大丈夫だったようだ。


キンキンする耳を押さえてからもう一度受話器を耳に近づける。


《あんたまたなんかしたでしょう!? どうして7月1日に戻ってんのよ!》


どうやら電話の相手は真奈ちゃんのようだ。


そして真奈ちゃんも僕同様に7月1日が3度目であることがわかる。


少しホッとしつつも大激怒している真奈ちゃんにどう説明していいのかわからなくて黙り込んでしまった。


実際、僕もどうしてこんなことになってしまったのかよくわからないままだ。


《ちょっと、なに黙ってんの?》


真奈ちゃんの声色に心配そうなものが混ざる。


一応僕のことを心配もしてくれているみたいだ。


ただのクレームだけの電話ではないことに気が付いて頬が緩む。


「いや、ごめん。たぶん今回も僕が真奈ちゃんを巻き込んだんだよね?」


《そうに決まってる。私はなにもしてないんだから》


真奈ちゃんの声からその仏頂面が安易に想像ついた。


「これから会える?」


僕たちはファミレスで待ち合わせることにした。


なにかヒントになることが、今日こそみつかればいいのだけれど。