真奈ちゃんと別れた後学校にも行かずに公園で時間を潰した僕は、ころあいを見計らって家に戻ってきていた。


その頃くらいからお腹が痛くなってきて、鎮痛剤を飲んでベッドに横になった。


それでも師範の鎮痛剤ではほとんど効果がなく、体を丸めてひたすらに痛みを我慢する。


次第に額に汗が滲んできて呼吸が荒くなって来た。


僕は本当にガンなんだ。


このまま死んでしまうんだ。


今死ななくてもこれほどの痛みを耐える日々が一か月は続いていくんだ。


大きく深呼吸を繰り返し、痛みの地獄が退いていくのを待つ。


目を閉じて楽しかった時のこと緒思い出すと、少しだけ気分が軽くなる。


子供の頃家族で行った遊園地、動物園、大迷路。


僕は一人っ子だったから欲しい物も沢山買ってもらえた。


クリスマスには必ずサンタクロースが来てくれて、そのとき一番欲しいおもちゃを置いて行ってくれた。


サンタの服を着た父親を見た時は本物のサンタクロースだと思って大はしゃぎしたんだっけ。