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「真奈ちゃんの心残りはまだまだある」


白い病院のベッドの上、僕はピンク色の手帳を見て笑い声を漏らした。


真奈ちゃんの葬儀が終わった日の夜、僕はまた倒れてついに入院することになってしまった。


「なんだよ、欲張りな子だなぁ」


横で純平が呆れ顔を浮かべている。


「わるけど、また2人に頼んでもいい? 僕はもうここから出られそうにないから」


窓の外を眺めて呟くと、隆夫が重苦しい息を吐きだした。


「そうじゃあないよ、2人のおかげで僕はここにいながらとても楽しい気分になれるからね」


悲観していたんじゃない。


外が恋しくないと言えば嘘になる。


だけどこうして好きな人のリストを、大好きな親友たちと一緒解消していくことは本当に幸せな事だった。


「わかった、じゃあ、まずはこの洞くつ探検っていうのをしてみようか」


書かれている文字を確認して純平が言う。