入院した日から真奈ちゃんの容態は急激に悪くなっていた。


まるで、少し未来の自分を見ているようだった。


「次はこれ」


骨と皮だけになった指で次のリストを指さす。


そこには好きな人と2人でサンドイッチを食べると書かれていて、僕の頬はゆるんだ。


真奈ちゃんは倒れる日までずっと、自分のやりたいことリストを達成しようと頑張っていたのだ。


「これは簡単だね。ほら」


そう言って僕は持参していたバスケットをテーブルのうえに置いた。


開いてみると、そこには今朝僕が手作りしたサンドイッチが入っている。


初めて作ったし少し不格好だけれど真奈ちゃんは目を輝かせて喜んでくれた。


「残念ながら、僕もそんなには食べられないけどね」


アッサリとしたサラダサンドを頬張ると、旨みが口いっぱいに広がる。


ここ最近はめっきり食欲が落ちてきて、サンドイッチひとつでお腹がいっぱいになってしまう。


それでもせっかく作るのだからとサンドイッチは沢山の種類を用意した。


サラダサンドにハムサンド、チーズにチキン。それにフルーツ系もある。