「え、いやまぁ……夢だと思ってたし」


僕の説明に盛大なため息を吐きだす真奈ちゃん。


なんだかだんだん自分がひどく情けない人間に思えて来た。


落ち込んでいると、真奈ちゃんが席を立った。


「帰るの?」


「伝えたいことは伝えたから」


だから僕はもう用なしってことか。


思わず苦笑いを浮かべる。


思えばどこへ行っても僕はそんな存在だった。


必要なときもあるけれど、基本的には不必要な人間だ。


今日だって無断で学校を休んでしまったけれど、クラスメートの誰からも連絡が来ていない。


僕のスマホはいつでも静かだ。