「え?」


確かに僕はまだ真奈ちゃんのことを何も知らない。


今日やっと、料理が趣味だと言う事を知ったばかりだ。


「あの子ね、余命一週間と言われているの」


頭の中が真っ白になって何も考えられなくなった。


嘘だろう?


これはきっとなにかの間違いだ。


だって余命宣告を受けたのは僕で、真奈ちゃんはそんな僕につきあってくれていただけなんだから。


冗談に決まっていると思っているのに、笑顔はひきつった。


頬の筋肉がピリピリとしびれているように感じられる。


異様に細くなっていた真奈ちゃんの肩を思い出す。


ずっと、顔色も悪かった。


「それは……いつごろですか?」


「真奈が余命宣告をされたのは7月8日よ」