「真奈ちゃん、ここは図書館だから寝ちゃダメだって」


更に強く肩をゆする。


真奈ちゃんの体は力なくそれに遭われて左右に揺れる。


その拍子に枕にしていた腕から真奈ちゃんの頭が落ちた。


ゴッと鈍い音がしてテーブルに額を打ちつける。


さすがに痛みで目を覚ますだろうと思った。


けれど真奈ちゃんは動かない。


本当に、さっきからピクリとも動かないのだ。


サッと血の気が退いていく音が聞こえるようだった。


僕は勢いよく立ち上がり、真奈ちゃんの背中を叩いた。


「おい、起きろよ、どうしたんだよ!?」


声が大きくなってしまい、周囲で読書をしていた人たちの視線が集まる。


だけどそんなこと関係なかった。


どれだけ声をあっけても、体をゆさぶっても真奈ちゃんは目を開けないのだ。


その顔は蒼白で呼吸は弱弱しい。