相手の名前と年齢がわかったとろでまた少し安心できた。


名前も知らない仏頂面の少女とお茶を続けるなんて、僕にはハードルが高すぎる。


「真奈ちゃん、本当にごめんね巻き込んで」


一瞬チクリと胃が痛んで顔をしかめる。


だけど真奈ちゃんは気が付かなかったみたいだ。


「謝ってもらっても遅いし、とにかくもう私を巻き込まないで」


僕の方が年上だとわかったはずなのに真奈ちゃんの話方は変わらない。


僕とは徹底的に距離を置くつもりでいるようだ。


自殺に巻き込まれて、なんか知らないけれど時間まで巻き戻っているのだから仕方ないことだけど、なんだか悲しい気がする。


「と、ところで、僕ら以外はみんな時間が戻った事に気が付いてないみたいだね」


できるだけ明るい声でそう言うと、また睨まれてしまった。


「そんなことも確認せずに家を出て来たの?」