☆☆☆

「水族館も結構面白かったな」


真奈ちゃんは僕の半歩後ろを歩きながら「とても」と、頷く。


お土産物売り場で一番大きなラッコのぬいぐるみを購入した真奈ちゃんは、それを胸の前に抱きしめるようにして歩いていた。


真奈ちゃんよりもラッコの方が大きいんじゃないかと思うくらいの大きさだ。


1万円もするそれを、真奈ちゃんはなんの躊躇もなく購入してしまった。


もしかして大金持ちのお嬢様なんじゃないかと疑ったが、1度行ったことのあるマアナちゃんの家はごく普通の一般家庭だったことを思い出した。


実はこっそりバイトでもしているのかもしれない。


学校はロクに行っていないみたいだけれど。


「これで2つ目の心残りが終った」


電車で揺られている間に真奈ちゃんはやりたいことリストから水族館を消した。


それでもまだまだリストは沢山ある。


どれもこれも僕ではなく真奈ちゃんがやりたいことのように思えるけれど、結果的に僕も楽しんでいるから今のところよしとしていた。


「明日はどうする?」