「なに?」


小首を傾げて聞いてくるその仕草は抱きしめてしまいたいくらいに可愛らしい。


君のことが好きだ。


喉まで出かかった言葉


だけど出てくることはなかった。


真奈ちゃんに今告白をしても、僕の寿命はあとわずか。


それを真奈ちゃんだって知っている。


すぐに死ぬと分かっている人間に告白されて苦しくないはずがなかった。


そう考えるとなにも言えなくなった。


好きな事ゴンドラの中2人きりなのに、僕はそれきり何も言えず短い観覧車は地上に到着してしまったのだった。


地上に到着したゴンドラは、もう夢を見せてはくれない。


僕たちは豆粒みたいな人間たちと同じなり、また歩き出すことになる。