バスはちょうど花壇どおりを通っていて、そこにはいろとりどりの花が咲き乱れている。


冬にはここがライトアップされていて、それは幻想的で美しいみたいだ。


「それより、そろそろどこかで降りて何かに乗らないか?」


バスは園内を半周くらいしたところだ。


せっかく遊園地に来たのだから、バス以外にもなにか乗らないと損をした気分になってしまう。


「そうだね。私あれに乗りたい」


真奈ちゃんが指さしたのは窓の外に見えている観覧車だ。


真奈ちゃんと2人で観覧車!


そう考えただけで緊張して手のひらに汗が滲んでくる。


頬が緩んでしまいそうになるのをグッと押し込めて、2人で途中下車した。


観覧車に並んでいる人はいなくて僕たちはすんなりと乗車できることになった。


一周5分ほどの短い観覧車だけれど、ゴンドラの中に入ると空調が効いていて涼しかった。


簡易的な冷暖房が完備されているようで、感心してしまう。