「バスって言ってもここのバスは天井がないからな。解放感がすごいよな」


いわゆるスカイバスと呼ばれているものだ。


バスの中にいても風邪を直接感じる事ができて清々しい気分になる。


「確かに、風は気持ちいい」


真奈ちゃんはあ吹き抜けて行く風に目を細めて応じる。


青白い肌に細すぎる手足。


目を閉じた時に強調されるまつ毛の長さに僕の心臓がドクンッと跳ねる。


そのときパッと目が開いて、アーモンド形の瞳に僕が写った。


「なに見てるの?」


真奈ちゃんは部屋の中を覗かれた時のような嫌そうな表情を浮かべて文句を言う。


「いや、別に」


咄嗟に視線を逸らして園内の景色を眺める。