どうやら休憩するつもりはあるみたいだ。


「アイスが食べたいなぁ」


ベンチに座った瞬間、真奈ちゃんがそう呟いた。


視線の先を追い掛けてみるとそこには今オープンしたばかりのアイスの屋台があった。


「食べる?」


聞くと子供みたいに無邪気な笑顔を見せて「うん!」と頷く。


その笑顔についつい悩殺されそうになってしまいながら、僕はアイスの屋台へと向かった。


「なににしますか?」


この遊園地の公式キャラクターの帽子をかぶったお姉さんがにこやかに聞いてくる。


「バニラを2つ」


言いながら太陽の貧しさに目を細める。


今日は絶好のデート日和で朝から日差しがきつい。


こんな中に長時間出ていて大丈夫だろうかと、自分でも少し心配になってきた。


それでもアイスを購入して元のベンチに戻ってみると、真奈ちゃんの姿たがない。