☆☆☆

「で? どうして自殺しようとしたの?」


少女は直球でそう質問をしてきた。


僕たちは近くのファミレスでドリンクバーを飲んでいるところだ。


普通ならこんなに可愛い女の子と2人でファミレスなんて緊張して仕方ないところだけれど、今は状況が状況だった。


目の前にいる少女はずーっと仏頂面をしているし、昨日死んだ僕が生きているし、時間は巻き戻っている。


ドキドキしている暇なんてない。


「ちょっと、嫌な事が続いたんだ。もう自分なんて生きている意味がないと思って」


ジッとコップの中のサイダーを見つめて答える。


サイダーの中の泡がプツプツと浮かんで来ては消えて行く。


僕も昨日消えるはずだった。


この泡みたいにあっけなく。