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翌日母親と共に向かった病院で説明されたことは、昨日と同じ内容だった。


僕はこれを聞くのは2度目だったけれど、今度はなんだか他人事のように聞こえて仕方がなかった。


1度目の人生の時のように絶望してしまうこともなく、淡々と話を聞いて自分の運命を受け入れる。


医師が病気に関して難しい説明をしているときは、つい思考回路が別のことへ行ってしまった。


今日はこの後、真奈ちゃんと遊園地へ行く約束をしているのだ。


学校はいいのかと聞くと、真奈ちゃんはとても真剣な顔で『そんなくだらない話はしたくない』と言って来た。


学生の本分である学校をくだらないものと言ってしまう真奈ちゃんに僕はもう諦めてしまった。


後から単位が足りないと言って泣いても知らないからなと念を押して、約束してきたのだ。


「あぁ~いい天気だな」


約束場所のバス停に到着すると真奈ちゃんはすでに来ていた。


赤いペンキが剥げかかっているベンチに座り、むぎわら帽子を目深にかぶりツバの下から僕を見上げた。


「遊園地日和ね」


真奈ちゃんは上機嫌で答える。