母親の作るカレーをほおばりながら説明すると、両親はようやく互いに目を見交わせた。


さっきから2人とも視線が彷徨ったり、テーブルの上ばかりを凝視していたりしたのだ。


どうやら僕の話は本当のことらしいと察して、そこからまた考える時間が必要になる。


子供が自分よりも先に死ぬ。


その両親の気持ちを僕は全然理解できない。


ただ言えるのは、2人ともに笑っていて欲しいということだけだった。


「これおいしいね」


母親が作った漬物をパリパリと音を立てて食べる。


漬物なんてババ臭い物好きではなかったけれど、いつの間にか食べられるようにんっていた。


ただの食わず嫌いだったのかもしれない。


「それで、次はいつ病院へいくんだ?」


父親に聞かれて「明日」と、返事をする。